唐突な女装衣装がロストークを襲う
各々出身地の民族衣装モチーフ魔法少女コスチュームで「俺/僕/私が魔法少女にーー!?」って言ってるうちの子男子ver.ロストーク
わりと似合わない寄りの女装表現です。
無駄に衣装描写に字数を割いたご都合ギャグ時空です。
ロストークのペットであり武器であるところのサモエドがなんかマスコット的なやつだったらみたいなIFなので深く考えないでお読みください。
「俺/僕/私が」と銘打っていますが他の子でやるかどうかは未定です。よそのお子さんが魔法少女衣装着てくれるのは大歓迎なのでどうぞ書いてくださいお願いします。
【簡単な用語説明】
鹵獲術士:敵から魔法を強奪することで魔法を使うジョブ。簡単に言って魔法使い。
ロストークの目の前に現れた犬は故郷では見慣れた種類のもので、寒さに強い白くもこもことした毛並みをふわつかせて一声吠えた。
途端、ロストークの周囲には地吹雪のごとく氷の粒が舞い上がり、光が渦を巻いて柱状に天へ延びる。彼は一瞬で視界を奪われた。
「うわっ!?」
かすかな低い悲鳴が地吹雪越しに聞こえるが、犬のほうはまるでかまいもせずに尻尾を振って白く光る柱を眺めている。
やがて氷塵と光の乱舞が収まると、そこには突然の光から目を庇って腕を顔の前に構えたロストークが立っていた。ただし、犬が吠える前とは大きく変わった格好で。
深い氷河のような青をベースに、つま先から這い上がる凍てついたような白がグラデーションを見せるハーフブーツは、元から高い身長をさらに誇張するハイヒール。厚地のサイハイソックスは雪原のように真っ白だ。よく鍛えられて決して華奢とはいえない太腿やふくらはぎのメリハリに浮かび上がる筋肉の陰影は、白のソックスでも光で飛ばしきれておらず、明らかに男のものだ。たくましく整った脚線は、もう少し他の見せ方をすれば純粋に美しいのかもしれない。
ソックスの履き口に被さるミニスカートは、長さこそ短いものの厚い布をふんだんに使ったサーキュラータイプで、やや重そうな質感をもってウエストから柔らかくもったりと波打っていた。多少のパニエが入っているのか、控えめながら裾は持ち上がり気味に広がって揺れる。
前掛けのようにスカートの上に垂れた布の端には、細かな白いビーズが連なって垂れ、しゃらりと冷ややかな光を放っていた。
しなやかに筋肉をまとう腕は上腕半ばまでを覆った手袋をぴったりと張りつめさせて、いつの間にやら透明な氷の杖を持っている。脚といい腕といい防御力の低そうな装備のくせ、ミニスカワンピースの上からは膝下まで届く袖無しのコートが風に翻る。コートにはフードが付いていて、魔女の帽子のごとく先のとがった長いフォルムが背に垂れる様がまるでなにかの尾のようだ。
特筆すべきはその装飾で、全体を染める深い青は、そのかなりの面積を白銀の糸による刺繍で覆われていた。強風に煽られて地面から吹き上がり渦を巻く粉雪や、木に吹き付けられて成長する樹氷が枝を伸ばす様、滴る暇すらなく凍った水滴、過酷な冬を象徴するそれらが意匠化されて、細々と華やかに縫い取られている。
布という布の裾には白くふわふわとしたファーがついていて、特にスカートの裾は、ロストークが身じろぐ度にもこもことたぐまったファーが弾む。そこからのぞくのが華奢で細い足ならば文句なしに可愛らしかったことだろう。
荘厳ながらもシルエットばかりは可愛らしい格好に変身させられて、光が収まって回復した視界で己の姿を確認したロストークは唖然としつつつぶやいた。
「こういうの、僕じゃなくて鹵獲術士の女の子が着たらいいんじゃないの……」
極めつけ、なにやら頭が重いことに気づいたロストークは自分の頭に天を突くように長く伸びる角を見つけて、ふらりとよろめいた。
「魔法少女かチスハーンか、せめてどちらかにしてくれないかい!?」
チスハーン:サハ共和国におけるサンタさんポジション。青い衣装とでっかい角、魔法の杖が特徴。すごい氷魔法使いそうな髭の立派なおじいさん。綺麗でかっこいい。当然ミニスカではない。
チスハーンでググったらいい画像たくさん出てきます。
アナログシャーペンで描いたミニスカチスハーン(?)のイメージ図がこちら
(顔はともかく腕と脚がゴツいロストークの女装ですご注意)
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